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「FIREの本は読んだけど、
あそこまでストイックにはなれないな」
そう思って本棚に戻した経験、ありませんか。
『FIRE 最強の早期リタイア術』は、
FIRE本の定番として名前の挙がる一冊です。
ただ、読んでみると全部が自分に
当てはまるわけではありませんでした。
私は完全リタイアではなく、
サイドFIREを目指しています。
その立場で読むと、はっきり刺さる部分と、
そのまま真似できない部分に分かれました。
この記事でわかること
- この本の主張のうち、日本の会社員がそのまま使える部分
- 逆に、真似しなくていい部分
- 読んだあと私が実際に変えたこと
『FIRE 最強の早期リタイア術』はどんな本か

私はこの本を図書館で借りて読みました。
著者は、中国の貧しい村で生まれ、
カナダに移住してエンジニアとして働き、
30代で資産を築いてリタイアした夫婦です。
主張をざっくりまとめると、こうなります。
- 年間支出の25倍の資産をつくり、そこから年4%ずつ取り崩して生きる(いわゆる4%ルール)
- 収入を増やすより、支出を減らして貯蓄率を上げるほうが効く
- 暴落に備えて現金と配当のクッションを用意しておく
- 資産ができたら、物価の安い国を移動しながら暮らす
「節約して、インデックスに投資して、
働かなくていい状態をつくる」という筋書きは、
日本で語られるFIRE論とほぼ同じ。
違うのは、そこに至る道のりを
表と数式で示してくるところです。
精神論はほとんど出てきません。
刺さったのはこの3つ

1. ゴールまでの距離は「年収」ではなく「貯蓄率」で決まる
一番効いたのはここでした。
FIREまで何年かかるかは、年収の額ではなく、
収入のうち何割を残せているかでほぼ決まる。
年収が上がっても、それに合わせて生活費が
上がれば距離は縮まりません。
逆に貯蓄率が上がれば、必要な資産額そのものが
小さくなり、貯まるスピードも上がる。
「あといくら稼げばいいか」ではなく
「今いくら残せているか」。
見る場所が変わりました。
2. 暴落が来ても売らずに済む仕組みをつくっておく
この本には「現金クッション」「利回りシールド」
という考え方が出てきます。
かんたんに言うと、
暴落したときに株を売らずに生活できるだけの
現金と配当を、あらかじめ用意しておく
というもの。
暴落そのものを避ける話ではありません。
暴落が来ることは前提にして、来たときに
売らずに済む状態をつくっておく。
ここが実用的でした。
「暴落しても狼狽売りしない」と気持ちで
頑張るのは、正直むずかしいです。
気持ちで耐えるのではなく、
売らなくていい状態にしておく。
この差は大きいと感じました。
3. モノより経験にお金を使う
支出を削る話の中で、著者は「モノを買っても
うれしさは長続きしないが、経験の記憶は残る」
という趣旨のことを書いています。
節約本にありがちな「我慢しろ」ではなく、
お金の向け先を変える話として書かれているのが
良かったところ。
支出を減らすと聞くと、生活が貧しくなる
イメージがあります。
でも実際にやってみると、減らしても
何も感じない支出がけっこうあるんですよね。
そこを削って、残ったお金を使いたいところに
回す。この順番なら続きます。
お金を使う側から同じことを言っているのが
『DIE WITH ZERO』でした。

貯めることと使うこと、
両方から挟むと腹落ちします。
逆に、刺さらなかったのはこの2つ

1. 物価の安い国を渡り歩く生き方
著者夫婦は、リタイア後に世界中を移動しながら
生活費を下げています。
「地理的アービトラージ」と呼ばれる方法です。
理屈としては合理的です。
ただ、日本で暮らす前提の私にはそのまま
使えませんでした。
拠点を持たない生活が前提になっていて、
家族や仕事がある人には現実味が薄かったです。
2. 貯蓄率を極限まで上げるスタンス
著者の貯蓄率は、日本の平均的な家計から見ると
かなり高い水準です。
読んでいると「そこまでやるのか」と
感じる場面が何度かありました。
早くリタイアしたいなら、削れるだけ
削るのは正しい。
でも私は、今の生活を削りきってまで到達を
早めたいとは思えませんでした。
このあたりは、
完全リタイアを目指すのか、働く量を
減らしながら資産収入を足していくのかで
評価が分かれるところ。
ゴールが違えば、必要なアクセルの踏み方も
変わります。
読んだあと、私が実際に変えたこと

ひとつめは、現金の持ち方です。
それまでは「余ったお金は投資に回す」で
ざっくり運用していました。
読んだあとは、生活費の何か月分を現金で
持っておくかを先に決めて、そこから先を
投資に回す形に変えています。
暴落が来たときに売らずに済む土台がここです。
目安の決め方は過去の記事にまとめました。
ふたつめは、固定費の見直しです。
貯蓄率でゴールが決まるとわかると、毎月自動で
出ていくお金を見る目が変わりました。
一度見直せば効果が続くのが固定費の良いところ。
ここを削るのは、我慢がほとんど要りません。
どこから手をつけるかは支出を減らす7つの方法に一覧でまとめてあります。
この本、どんな人が読むといいか

読む価値が大きいのは、こんな人です。
- FIREという言葉は知っているが、必要額の計算まではしたことがない人
- 暴落が怖くて、投資額を増やしきれずにいる人
- 収入を増やす方向ばかり考えて、支出側を見ていなかった人
逆に、いま読んでも響きにくいのはこのタイプ。
- すでに家計を絞りきっていて、これ以上削る余地がない人
- 日本に拠点を置いて働き続けることが前提の人(後半が自分ごとになりにくい)
私のおすすめは、
ゴールは真似せず、仕組みだけ借りる読み方です。
著者と同じ完全リタイアを目指す必要は
ありません。
貯蓄率でゴールが決まるという見方と、暴落に
備えて売らずに済む状態をつくるという発想。
この2つを持ち帰れれば、それだけで読んだ価値が
あります。
私のように、まず図書館で借りてみるのも
いいと思います。
読んで手元に置きたくなったら、
そのとき買えば十分です。
まとめ

- FIREまでの距離は年収の額ではなく貯蓄率で決まる。見る場所を変えると動きやすくなる
- 暴落は「気持ちで耐える」のではなく「売らずに済む状態をつくる」で備える
- 地理的アービトラージと極端な節約は、日本で働き続ける人にはそのまま使いにくい
- 読んだあと変えたのは、現金の持ち方と固定費。投資の中身は変えていない
- ゴールは真似しなくていい。仕組みだけ借りるのがちょうどいい読み方
※投資は自己責任です。最終的な判断はご自身でお願いします。
