「資産の4%なら毎年取り崩しても大丈夫」
FIREや資産の取り崩しについて調べると、
必ず出てくるのが「4%ルール」です。
シンプルで分かりやすいので、私も最初は
「なるほど、これを目安にすればいいのか」と
思っていました。
でも、よくよく調べてみると、4%ルールは
アメリカの研究がもとになっています。
税金も、為替も、年金のしくみも違う日本に住む
自分が、そのまま当てはめていいのかな……と
引っかかったんです。
結論から言うと、私は
「定率4%で取り崩す」というやり方は
採用しませんでした。
そのかわり、自分なりの取り崩しルールを作って、
いまは一部すでに実践しています。
この記事では、その理由と中身を体験ベースで
書いていきます。
この記事でわかること
- 4%ルール(トリニティ・スタディ)の中身と、その「前提」
- 日本人にそのまま当てはめにくい4つの理由(税金・為替・債券・年金)
- 私が「定率4%」をやめて実践している取り崩しルール
- このやり方のメリットと、正直なデメリット
そもそも「4%ルール」とは?

最初に、4%ルールがどんなものか
簡単におさらいします。
4%ルールは、
ウィリアム・ベンゲンの研究や、
アメリカのトリニティ大学の研究者による
「トリニティ・スタディ」などをもとに
広まった考え方です。
ざっくり言うと、こういう内容です。
退職時の資産に対して、
毎年4%ずつ取り崩していけば、
長い期間が経っても資産が
残っている可能性が高い。
たとえば資産が3,000万円あれば、
その4%にあたる年120万円を取り崩しながら
生活する、というイメージですね。
「資産の25倍を貯めればFIREできる」と
よく言われるのも、この4%(=25分の1)が
根拠になっています。
考え方としてはシンプルで、
目安としては今でも役に立ちます。
ただ、ここで大事なのがこの研究の「前提」です。
- 対象はアメリカの過去のデータ
- ポートフォリオは株式と債券を組み合わせ
- 取り崩し額は税金を引く前の数字
なお、トリニティ・スタディが検証したのは、
15年・20年・25年・30年といった複数の保有期間。
「4%なら大丈夫」と一口に言っても、
期間や資産配分しだいで結果は変わってきます。
ここが、私が「日本人の自分にそのまま当てはめて
いいのかな?」と引っかかったポイントでした。
4%ルールは日本人にもそのまま当てはまるのか?

私の考えは、「目安としては参考になるけれど、
そのまま当てはめるのは難しい」です。
理由1:日本では取り崩しに「税金」がかかる
4%ルールの4%は、税金を引く前の数字です。
一方、日本では株式や投資信託を売って
利益が出ると、その利益に対して
約20%の税金がかかります(配当も同じ)
たとえば「年120万円を取り崩そう」と思っても、
その中に含まれる利益分には課税されるので、
手元に残るお金は額面より少なくなります。
「4%取り崩せば年120万円使える」と単純計算
すると、思っていたより手取りが少なくて慌てる、
ということが起こりえます。
NISA口座の中で完結する部分は非課税ですが、
それ以外は税金を見込んでおく必要があります。
理由2:為替で「取り崩せる額」がブレる
4%ルールはアメリカの研究なので、
当然ドル建ての話です。
私もアメリカの株式を持っていますが、
日本で暮らす以上、使うのは円です。
ドルの資産を円に換えて生活費にあてるとなると、
そのときの為替レート次第で、手元に入る円が
変わってしまうんですよね。
円安のときはありがたいですが、
円高に振れると同じ4%でも円に直したときの
金額は目減りします。
「ドルで4%」と「円で使う」のあいだには、
為替というもう一段のブレがあるわけです。
理由3:そもそも私は「債券」を持っていない
ここが個人的に一番大きい違いでした。
トリニティ・スタディは、
株式と債券を組み合わせたポートフォリオが
前提です。
債券は株式が下がる局面でクッションになり、
取り崩しを安定させる役割を持っています。
でも、私のポートフォリオに債券はありません。
理由はシンプルで、現金と株式だけのほうが、
自分にとっては管理しやすいからです。
私は債券のかわりに「現金」を厚めに持って、
それをクッションにしています。
このあたりの「自分がどこまで値動きに耐えられるか」という話は、
債券は40代から組み込むべき?わが家のリスク許容度の考え方 にも
まとめています。
前提のポートフォリオが違えば、
4%という数字をそのまま当てはめる根拠も
変わってきます。
理由4:日本には「公的年金」がある
これは日本に有利に働く違いです。
トリニティ・スタディは、基本的に
「資産の取り崩しだけで生活する」
前提の研究です。
でも日本には公的年金があるので、
老後は年金+取り崩しの合わせ技になります。
つまり、生活費のすべてを資産の取り崩しで
まかなう必要はありません。
その分、取り崩し率を欲張らなくても
よくなります。
ただし、会社員を辞めると国民健康保険や
国民年金への切り替えコストが増えます。
この点は別途見ておく必要があります。
こうして並べてみると、4%ルールは
「考え方の出発点」としては役立つけれど、
日本人の自分がそのまま使うには調整が
必要だと感じました。
だから私は「定率4%」をやめました|実践している取り崩しルール

ここからが本題です。
4%ルールを目安として参考にしつつ、
私が実際にやっているのは
「定率で4%取り崩す」ではないやり方です。
「私はこうしている」という一例として読んでください。
ポートフォリオは4つを「各25%」で持つ
まず、私は資産を次の4つに分けて、
それぞれ25%ずつを目安に持っています。
| 資産クラス | 役割 |
|---|---|
| 現金 | 暴落時のクッション・生活の安心材料 |
| 日本高配当株 | 円で受け取る配当の柱 |
| 米国高配当株 | ドルで受け取る配当の柱 |
| S&P500(インデックス) | 値上がり益で資産全体を育てる |
債券は持たず、そのかわりに現金を1つの柱として
25%確保しているのがポイントです。
これは「現金+株式」のほうが、
自分には分かりやすく管理しやすいからです。
日本高配当株をどう分散しているかは
日本高配当株を約100銘柄に分散している理由に
まとめています。
インデックス部分の考え方は
S&P500とオルカン、私はこう使い分けていますを
ご覧ください。
取り崩しは「上限を超えた分」だけ
そして取り崩し方が、
4%ルールと一番違うところです。
私は各資産クラスに上限を決めていて、
上限を超えた分だけを取り崩すようにしています。
定率で「毎年◯%」と決めて売るのではなく、
増えた分だけ使う、というイメージです。
仮に資産が2,000万円だとして、
具体的に書いてみます。
- 4つの資産を25%ずつ=各500万円を上限の目安にする
- たとえば米国高配当株が値上がりして510万円になったら、超過分の10万円を引き出す
- 判定は資産クラスごとに行う(増えた資産だけを取り崩す)
こうすると、取り崩しと同時に
「上限の500万円に戻すリバランス」も
自然にできます。
増えすぎた資産を元の比率に戻しながら、
その差分を生活費にあてる。
一石二鳥のやり方です。
定率4%=「決めた割合を毎年売る」
私のやり方=「上限を超えた分だけ売る」
相場が好調で資産が増えた年はしっかり取り崩し、
増えなかった年は無理に取り崩さない。
この「増えた分だけ使う」感覚が、
自分にはしっくりきました。
すでにこのルールで一部は取り崩しを始めていて、
いまのところ私には合っていると感じています。
配当はどう扱っている?
「日米の高配当株を持っているなら、
配当はどうしているの?」と気になった方も
いるかもしれません。
配当は、基本的に
日々の生活を豊かにするために使っています。
定期的に受け取れるお金があると、
暮らしに少しゆとりが生まれます。
私にとって高配当株は、この「入ってくるお金」
を楽しむための柱でもあるんです。
いっぽうで、値上がりして各資産クラスの上限を
超えた分は、さきほどの「上限を超えた分だけ
取り崩す」ルールで対応します。
配当は使って楽しみ、値上がり分は上限で管理する
私のなかでは、この役割分担がいちばんしっくり
きています。
このやり方のメリットと、正直なデメリット

いいことばかり書いてもフェアではないので、
両面を正直に書きます。
メリット:増えた分だけ使うから、無理がない
- 上限を超えなければ取り崩さないので、暴落時に資産を売り急がなくて済む
- 取り崩しとリバランスを同時にできて、管理がシンプル
- 「今年は調子がよかったから少し多めに使える」と、相場と気持ちが連動しやすい
定率だと、相場が下がっている年でも
決めた割合を売ることになります。
私のやり方なら、下がっている年は取り崩さずに
済むので、精神的にラクなんです。
デメリット:取り崩せる額が「相場次第」になる
正直なところ、ここが一番の弱点です。
上限を超えた分だけを取り崩すので、
相場が伸びない年は取り崩せる額が減る、
あるいはゼロになります。
「毎年決まった金額が手に入る」という安定感は、
定率4%のほうが上です。
なので、私は現金を25%と厚めに持っています。
取り崩せない年があっても、
現金のクッションで生活が回るようにしておく。
これが前提になっています。
投資に回すお金と、生活を守るお金を分けておく
考え方は 投資を始める前にやっておきたい
「生活防衛費」の貯め方 にまとめています。
取り崩しルールを考えるうえでも、
この「守りのお金」がベースになります。
このやり方が向く人・向かない人
会社員時代の私のように、
「これから資産を取り崩す段階に向けて、自分なり
のルールを決めておきたい」という人には、
参考になる考え方だと思います。
一方で、毎月きっちり決まった額がほしい人には、
定率のほうが向いているかもしれませんね。
どちらが正解という話ではなく、自分の性格と
生活設計に合うかどうかだと思います。
まとめ:4%ルールは「物差し」、使い方は自分仕様で

最後に要点をまとめます。
- 4%ルールはアメリカ・株式と債券・税引き前を前提にした目安
- 日本では税金(約20%)・為替・債券の有無・公的年金の4点でズレが出る
- 私は定率4%をやめ、4資産を各25%・上限を超えた分だけ取り崩すやり方にした(配当は生活を豊かにするために使い、値上がり分を上限で管理)
- 債券は持たず、現金25%をクッションにしている(シンプルに管理したいから)
- デメリットは「取り崩せる額が相場次第」。だからこそ現金を厚めに持っている
4%ルールは、そのまま当てはめる「正解」
ではなく、自分の取り崩しを考えるための
物差しだと思っています。
この記事が、その「自分仕様」を考える
きっかけになればうれしいです。
資産形成の全体像は資産を増やす7つの方法|
新NISA・副業・健康への投資まで に
まとめているので、あわせてどうぞ。
※本記事は個人の体験・見解の共有であり、
特定銘柄や商品を推奨するものではありません。
投資判断はご自身の責任でお願いします。
